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ご挨拶

 ティーアート店長の谷口でございます。
私はモザイクタイルの販売をはじめる前は電子部品の研究開発をしていたエンジニアでした。ご挨拶にあたり、何故モザイクタイルなのかをお話させて頂きます。

 サラリーマン時代に開発をしていた電子部品の主な用途はオーディオ機器やテレビなど家電製品でしたがしだいにパソコンや携帯などIT機器やTVゲームなどに代わっていきました。開発のねらいも耐久性や精度などの品質面よりも、低コスト・小型化が主になりました。しかもその主な用途がTVゲーム。私には三人の子どもがいますが彼らを養育するときTVゲームの存在には少なからぬ疑問を持っていました。
 我々が子どもの頃の遊びは屋外に決まっていました。学校から帰ると友達を誘って山や川、池などへ遊びに行ったものです。夏休みは早朝から昆虫取り。目的の昆虫を見つけた時のときめきは忘れようがありません。冬は凍った水溜りでスケート。ヘルメットなどをかぶっているはずもなく、転んで頭を打ったときの痛みは今でも思い出します。川遊びの時はスリッパを流されそれを取ろうとした時滑って、自分も流されるなど非常に危険なこともありましたが大自然の中で遊ぶことで自然とどう付き合うべきかを体得できたように思います。 私は現在社会においてゲームに熱中している子ども達を見ていると申し訳ないような気がしてなりません。
 大自然の中で育った我々の方が生き生きと・はつらつと遊んでいたのではないだろうか。
 この30年間で自動車・家電などすごい勢いで発展し、ますます便利で豊かな社会が構築されてきました。特にここ数年のIT産業の発展は目覚しいものがあります。インターネットを使えば自宅で探し物買い物ができ世界中の情報も瞬時に得ることができます。他にも様々な分野で新しい技術が続々開発されようとしていますが・・・

 人類の不安は科学の発展からくる。
 どこまで伴(つ)れて行かれるか分からない。


人類 ( 夏目 漱石 ) の不安 が益々現実味を帯びてきているように思います。
 科学は日進月歩を続け、生活もより豊かになっているはずですが生活の「ゆとり」というものは失われてしまっているようです。私が幼少の頃、父は生活を支えながらも自分の趣味を楽しむ時間・・・「ゆとり」がありました。庭には所狭しと盆栽が並び、池には色とりどりの錦鯉が悠然と泳いでいました。夜になると近所の友人と囲碁です。今の私には到底考えられません。洗濯機のおかげで、洗濯板で時間をかけて洗う作業がなくなり主婦の仕事は楽になりました。FAXが開発されて手紙を出す必要が少なくなりました。今ではメールで一度に多くの人に書類が送れます。こんなに便利になればかなり時間的なゆとりができるはずですが ・ ・ ・ 現実は、益々忙しいストレス社会になっているのではないでしょうか。
   ● これ以上利便性の追求は必要ないのではないか。
   ● 人々の心を豊かにできる製品の開発に人生を賭けてみよう。

 タイルは我が笠原町を支えているとも言える製品ですが、ユニットバスやクロスなどの新建材の普及で一般住宅ではしだいに使われなくなってしまった、いわば「時代おくれ」の製品かも知れません。幼少の頃、風呂やトイレの壁や床はタイル張りで、色とりどりで様々な形のモザイクタイルを毎日見ていました。トイレでは指でタイルの目地を追ったものですがこの些細な行為が子どもの情操を育てると考えています。昔からある焼き物のタイルですが人類の営みにはなくてはならない大切な存在と確信しています。


  笠原町のタイル生産量・メーカー数は日本一です。

 今日ではマンション等に大量消費されるタイルが生産の主流になってしまいましたが、かつては富士山の絵などで銭湯の壁面を彩った−3分5厘角( 約10mm角 )のアートタイルに代表されるモザイクタイルの町として全国に知れ渡っていました。 このモザイクタイルで皆様方に喜んで頂けるようモザイクタイルの色・テクスチャーを日夜研究しています。タイルアートの制作ではご依頼のデザインをできるだけ忠実に表現させて頂く、あるいはご依頼の現場に合ったアート空間の提案をさせて頂きたいと考えています。

 そして子ども達の色彩感覚・感性・創造力、あるいは根気や忍耐力を育てたいという思いで取り組んでいる商品をご紹介させて頂きます。
 是非、ティーアートのモザイクタイルを末長くご愛用頂けますよう心よりお願い申し上げます。

平成18年5月吉日
ティーアート
 店長 谷口静雄